人生にゲームをプラスするメディア

『真・女神転生』って何がスゴいの? 人気の理由って? 「悪魔合体」を生み出し、コマンドRPGに革命を起こした名シリーズ

長い歴史を持つ『真・女神転生』シリーズとは、どんな歩みを重ね、人気を博してきたのか。その魅力や背景に迫ります。

ゲーム 特集
『真・女神転生』って何がスゴいの? 人気の理由って? 「悪魔合体」を生み出し、コマンドRPGに革命を起こした名シリーズ
  • 『真・女神転生』って何がスゴいの? 人気の理由って? 「悪魔合体」を生み出し、コマンドRPGに革命を起こした名シリーズ
  • 『真・女神転生』って何がスゴいの? 人気の理由って? 「悪魔合体」を生み出し、コマンドRPGに革命を起こした名シリーズ
  • 『真・女神転生』って何がスゴいの? 人気の理由って? 「悪魔合体」を生み出し、コマンドRPGに革命を起こした名シリーズ
  • 『真・女神転生』って何がスゴいの? 人気の理由って? 「悪魔合体」を生み出し、コマンドRPGに革命を起こした名シリーズ
  • 『真・女神転生』って何がスゴいの? 人気の理由って? 「悪魔合体」を生み出し、コマンドRPGに革命を起こした名シリーズ
  • 『真・女神転生』って何がスゴいの? 人気の理由って? 「悪魔合体」を生み出し、コマンドRPGに革命を起こした名シリーズ
  • 『真・女神転生』って何がスゴいの? 人気の理由って? 「悪魔合体」を生み出し、コマンドRPGに革命を起こした名シリーズ
  • 『真・女神転生』って何がスゴいの? 人気の理由って? 「悪魔合体」を生み出し、コマンドRPGに革命を起こした名シリーズ

■ファミコン時代に生まれた「仲魔」と「悪魔合体」

『デジタル・デビル物語 女神転生』が持つ魅力は、原作のゲーム化という点だけではありません。前述の通り“主観視点の3DダンジョンRPG”がベースとなりますが、主人公の中島は戦うだけでなく、敵として登場する「悪魔」の一部と会話で交渉することができ、成功すれば「仲魔」となってパーティに加わります。

「仲魔」になった悪魔は、「悪魔召喚プログラム」を通じて管理します。そして、より強い悪魔が欲しい場合は、2体の仲魔を合体させて上位の悪魔を呼び出す「悪魔合体」を駆使し、戦力の増強を図れます。

会話交渉による「仲魔」、「悪魔召喚プログラム」を駆使するパーティ編成、強力な悪魔を召喚する「悪魔合体」……いずれも、『真・女神転生』シリーズの軸とも言える、非常に重要なゲームシステムです。

時代の経過と共にブラッシュアップし、その内容は大きく進化しましたが、シリーズの中核を成すシステムの基本は、すでにファミコン時代に出来上がっていたのです。

「悪魔合体」などのシステムは、令和時代のゲームファンたちも大いに楽しんでいます。その核となるシステムが、『デジタル・デビル物語 女神転生』(1987年発売)の時点ですでに確立されていたというのは、知っている側から見ても改めて驚かされます。

数十年後も愛されるゲームシステムの先駆けとなった『デジタル・デビル物語 女神転生』は、偉大な功績を果たした作品と言えるでしょう。

ちなみに原作要素は、続編の『デジタル・デビル物語 女神転生II』(1990年発売)でほぼなくなり、完全にオリジナルの作品になりました。そしてこの『II』で、「舞台となるのは荒廃した東京」「2Dのフィールドマップを採用」「金子一馬氏がデザインを担当」など、『真・女神転生』シリーズの象徴ともいえる要素のベースが形作られています。

出発点の1作目でゲームシステムが、2作目で世界観や構成、マルチエンディングなどの要素を組み上げるなど、その足場が瞬く間に固まりました。しかもこの時点では『デジタル・デビル物語 女神転生II』までしか出ておらず、現シリーズの『真・女神転生』が登場するのはこれから。幕開け前から基礎が固められており、まさしく「満を持して」の立ち上がりといえるものでした。

■魅力的なシステムに、優れた世界観と物語を結び付けた『真・女神転生』

こうした流れを経て、スーパーファミコンソフト『真・女神転生』が1992年に発売されました。ここからは発売元もアトラスが担当し、名実ともに同社の看板ソフトとして人気を博します。

「交渉で味方に加わる仲魔」「悪魔召喚プログラム」「悪魔合体」といった特徴的なゲームシステムはさらに磨きがかかり、シリーズ全般を通して高く評価されました。その面白さは『真・女神転生V Vengeance』にも当然受け継がれており、令和に入ってもなお健在です。

また、『真・女神転生』シリーズでより顕著になったのは、シナリオの方向性です。『デジタル・デビル物語 女神転生II』の時点で、分岐するエンディングが採用されていましたが、「ロウ」と「カオス」といった対立する勢力を用いて、「どちらか一方が正しいわけではない」という物語構造を構築していきます。

王道的なRPG作品が多い中、様々な思想や考え方を交錯させ、完璧な答えを強制せず、プレイヤー自身の選択で結末に辿り着く手法は、勧善懲悪とは無縁の奥深いストーリー体験の提供に繋がりました。

様々な宗教や伝承、神話をモチーフに、多数の悪魔や天使などを登場させる世界観。そして、いわゆる「トゥルーエンド」のない、よりよいと思える未来をプレイヤー自身の判断で掴み取る手応え。『真・女神転生』シリーズが示した提案は実に刺激的で、だからこそそのプレイが忘れ得ぬものとなります。



《臥待 弦》

楽する為に努力する雑食系ライター 臥待 弦

世間のブームとズレた時間差でファミコンにハマり、主だった家庭用ゲーム機を遊び続けてきたフリーライター。ゲームブックやTRPGなどの沼にもどっぷり浸かった。ゲームのシナリオや漫画原作などの文字書き仕事を経て、今はゲーム記事の執筆に邁進中。「隠れた名作を、隠れていない名作に」が、ゲームライターとしての目標。隙あらば、あまり知られていない作品にスポットを当てたがる。仕事は幅広く募集中。

+ 続きを読む
【注目の記事】[PR]

編集部おすすめの記事

特集

ゲーム アクセスランキング

  1. 『モンハンワイルズ』迷っているハンター必見!360人超のユーザーが答えた「使いたいメイン・サブ武器」─新要素の「武器切り替え」で広がる選択肢【アンケ結果】

    『モンハンワイルズ』迷っているハンター必見!360人超のユーザーが答えた「使いたいメイン・サブ武器」─新要素の「武器切り替え」で広がる選択肢【アンケ結果】

  2. 伝説のポケモン「ミライドン」を、トヨタの技術力で再現!実際に乗れるほぼ1/1スケール、開発用の立体資料も激写【レポート】

    伝説のポケモン「ミライドン」を、トヨタの技術力で再現!実際に乗れるほぼ1/1スケール、開発用の立体資料も激写【レポート】

  3. 『ゼノブレイドクロス ディフィニティブエディション』追加ストーリーの詳細解禁!“Wii U版の最終章に続く物語”が描かれる

    『ゼノブレイドクロス ディフィニティブエディション』追加ストーリーの詳細解禁!“Wii U版の最終章に続く物語”が描かれる

  4. 『ポケポケ』アルセウスの完成度高すぎな「イマーシブレア風ムービー」が話題沸騰―これがファンメイド!?過去作のギラティナやルギアも凄まじい

  5. 任天堂の「マイニンテンドーゴールドポイント」3月25日に付与終了へ…ちょっとしたソフト購入にも使えるお得ポイント

  6. 『ポケポケ』に「アルセウスex」が!新拡張パック「超克の光」が2月28日に登場

  7. 値上がりもした「PS5本体」の中古価格って、今どれくらいなの? 4つの店舗を現地調査!『モンハンワイルズ』で駆け込み購入したい人も必見

  8. 『ポケモンレジェンズZ-A』には、あの「AZ&フラエッテ」の姿も!気さくな仲間に女社長など…気になる新キャラクターが一挙公開

  9. 『ポケポケ』わずか4か月で1億ダウンロードを突破!電撃的な人気で驚異の記録を達成

  10. 『ポケモン』ホンダが本気で「コライドン」を作ったら…トヨタミライドンに続く「ホンダコライドンプロジェクト」始動!

アクセスランキングをもっと見る