VRといえばヘッドマウントディスプレイやバーチャルグローブ、さらにはアニメ「甲殻機動隊」などの「電脳空間」的なイメージが強いが、実際はそれらに囚われない、非常に幅広い分野であることは、何度強調しても足りないくらいだ。ゲーム業界でもニンテンドーDSやWiiが新しいデバイスで大旋風を巻き起こしており、VRに関する注目が俄然高まっている。もっともゲームにしろVRにしろ、優れた作品を作るポイントは「技術」ではなく「人」だ。IVRCの卒業生が任天堂やセガなどゲーム業界に進む例もあり、人材育成の面でも功績をあげている。
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岐阜本大会に進んだ作品は、蟻が手をはい回る触覚を再現した「虫 HOW?」と、VRで新感覚のトランポリンを実現した「HOP AMP」、シェーカーを振ってCGの風景を作り出す「風景バーテンダー」、鏡の世界と戯れる「Heaven's Mirror」の4点だ。これにフランスのVRコンテスト、ラバル・バーチャルから招待展示された学生作品「タイムマシーン:ヴェルダン1916」が加わり、5作品で審査が行われる。総合優勝した作品は、米シーグラフの作品出展サポートが受けられる仕組みだ。またラバル・バーチャルへの招待展示が受けられる、ラバル・バーチャル賞もある。
それではさっそく、この5作品について紹介していこう。東京予選大会が学生ならではのユニークな作品が多数展示されるのに対して、岐阜本大会では作品の完成度が非常にアップしている点がポイントだ。予選大会のレポートも併せてチェックしてもらえると、作品の変化が良くわかっておもしろいだろう。なお、紹介順は予選の順位に即している。