クールビューティ…その素顔は!? 手塚紗掬プロに直撃〜女性プロ雀士インタビュー<2>
今回の先生役は、「はこパラオンライン」をはじめ第一線で活躍中の女性プロ雀士、手塚紗掬(てづかさきく)さん。TV、雑誌、ネット連載はもちろん、各地の麻雀大会などでも活躍中。麻雀初心者向けの啓蒙活動などにも力を入れていらっしゃいます。写真やTV番組でのキリッとした闘牌姿を拝見していたため、クールな受け答えを想像していたのですが、ご本人は、コロコロと笑う笑顔がとても愛らしい方でした。
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---簡単に自己紹介をお願いします。
「こんにちは。手塚紗掬です。よろしくお願いいたします」
---麻雀を覚えたのが20歳ごろとのことですが、意外と遅めのデビューに感じます。
「そうですね。新規オープンする麻雀店がアルバイトを募集していたので、そこのオープニングスタッフになったのが、覚えるキッカケでした。いわゆる“ギャル雀”のお店(love2ボンバー)だったんですが、麻雀を知らない女の子たちばかりだったので、オープンする1か月前ぐらいに店長が研修をしてくれたんです」
※麻雀に詳しくない方のための注釈:麻雀は4人揃っていないとプレイできません。友だち4人で一緒に行ってプレイするお店を「セット麻雀」といいます。一方で、4人揃わなくてもプレイしたいという人向けに、見知らぬ人同士でも4人が集まったらゲームスタートになるお店を「フリー麻雀」といいます。フリー麻雀店では、人数が足りないときに、店員さんが入ってくれることがあります。なかでも「ギャル雀」というのは、女性店員が常時いて、お客さん(主に男性)と一緒に麻雀をプレイしてくれる、というタイプのお店です。
---そうすると、そのときまで、まったく麻雀を知らなかったんですね。
「そうです。名前が“ラブラブボンバー”って面白いな、と思って行ってみちゃいました(笑)」
---雀荘は怖い、といったイメージはなかったんでしょうか?
「はい、不思議とそういった先入観があまりなかったんですよね。雀荘がどういう場所かさえまったくイメージがなかったんで、怖さとかはありませんでした」
---麻雀そのものとの接点自体、まったくなかったんでしょうか?
「兄がいるんですけど、兄は麻雀をやってたんですよ。ですので、家族麻雀みたいな感じで、人数合わせに借り出されることはありました。座ってツモ切るだけですけど(笑)。その遊んでいるときの感覚だけでした」
--そうして、麻雀店のスタッフになって、その延長でプロになられたんですね。それはいつごろ?
「スタッフになって、だいたい1年ぐらいのときですね。麻雀を覚えたてのときって、すごく面白いじゃないですか。だから1年間は毎日のように麻雀を打っていました」
---でも1年でプロになられたのは凄いですね。しかも最初の試験で、見事に合格されたんですよね。
「私が入った団体(日本プロ麻雀協会)は、その年(2001年)にできたばかりだったんです。だからかもしれません」
※麻雀に詳しくない方のための注釈:麻雀のプロ競技団体は、「最高位戦日本プロ麻雀協会」「日本プロ麻雀協会」「日本プロ麻雀連盟」「101競技連盟」「麻将連合-μ-」など複数あります。活動内容やルール、プロ認定の基準などにそれぞれ違いがあります。
---プロになって何年目でしょうか?
「6年目ですね」
---これからどんどん優勝回数などを重ねていきたい時期ですね。
「そうですね、今もっと強くなりたいと思ってます。全然足りないです」
---えっ、まだ足りませんか?
「タイトルとしては女流雀王(第1期)を獲得していますけど、もっと男性も参加する大きいタイトルで優勝するというのが、とりあえず今の目標です。女性で獲っている人が少ないですから。あとは、やはりいろんな人に、もっと麻雀の楽しさを知ってほしいですね。そういう活動をしていきたいです」
---実際に、この「オンナの麻力!?養成講座」でも、みんなが楽しさを感じています。
「そうそう!やってみると楽しいんですよ〜。(麻雀の世界に)入るまでって、難しそうとか怖そうとかのマイナスイメージがあるけど、実際やってみると面白いからどんどん自然に覚えちゃうと思う。オンラインゲーム麻雀とかならいつでもできるから、覚えるのにいいと思いますよ」
---オンラインゲーム麻雀はよくプレイされますか?
「あまりやっていなかったんですけど、『はこパラオンライン』がオープンして以降は、よくやってますね。週4回以上? かな。夜の時間帯が多いんですけど、けっこう毎日やってます」
---では、はこパラに行けば手塚プロとプレイできる?
「プロ対局のスケジュールが掲示されてるはずなので、それをチェックしてもらうと、私がいる時間がわかると思います」
---日記もこまめに書かれていますよね。
「今日あったことなど、自分の身の回りの出来事を書き留めるようにしています。あまり麻雀のことは書いていないかも」
---ファンの方からフレンドリンクを申請されることは?
「多いですね。まだ会ったことのない方もたくさんいます。コメントをいただいたり、ゲーム中にチャットしたり、会ったことはないけど仲良し、という人もいます。実ははこパラをやるまで、オンラインゲームとかはやったことはなかったので、リアル麻雀のほうがずっといいと思い込んでいました。でも実際やってみると、そんなに差があるわけではなく、いつでも好きなときに麻雀できる、というメリットが大きいことに気づきました」
---オンラインならでは、ですよね。でも結構レベルに差があるんじゃあないでしょうか?
「いえ、むしろオンラインのほうが平等というか、レベル差を感じることはありませんね。あと麻雀初心者の人は点数計算が一番わからないと思うんですけど、オンラインゲームなら自動的に計算してくれるので、初心者でも打牌に没頭しやすいのではないでしょうか。チャットとかも楽しいですよ」
---オンラインではなく、実際に手塚プロと打つことも可能でしょうか?
「仕事で渋谷ウェルカムや横浜ウェルカムに行くことが多いんですけど、予定は“はこパラオンライン”のプロフィールページにもまとめて書いてありますので、ぜひこれを見て、都合がよかったら、会いに来て欲しいと思います」
---今日、打牌の見本を見せていただきましたけど、本当に姿勢とリズムが綺麗ですね! プロは違うな〜と感動しました。
「私に麻雀を教えてくれた方が、“まずは形から!”という教え方だったんですよ(笑)。でも、やはり女の子だから、綺麗に見えたほうがいいということもあったと思います」
---ところで麻雀以外のゲームとかはやらないんですか?
「私、ぜんぜんやらないんですよ。趣味のバトミントンぐらいです」
---そういえば、プロフィールの趣味が多彩ですね。「スポーツ」に「カラオケ・バンド」に「読書」に「マンガ」……。さきほどのお話では、バトミントンが趣味とのことですが?
「場所を借りないとできないし忙しいので、最近ちょっとやっていませんけど、たまに休日に友だちと体育館を借りてやっていますね。もともと田舎出身(笑)なんで、体を動かす遊びは好きですね。カラオケはジュディマリとか鬼束ちひろさんとかをよく歌っています」
---いいですね〜。でも、テレビ番組で打牌されてる姿や、Wikipediaの解説で「冷静沈着」とか「ダイヤモンドダスト」とか書かれていたので、すごくクールなイメージがあったんですが、すごくフレンドリーな方でほっとしました(笑)。
「いやあ、ぜんぜんそんなことないんです(照れ笑い)。よく言われるんですけどねスイマセン(笑)」
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とにかくずっとニコニコしているのが印象的でした。端正な外見と落ち着いた雰囲気から、“クールビューティ”という言葉が似合う印象の手塚紗掬プロ。厳しい先生像を想像していたのですが、実物ははにかんだ表情が自然で、とてもシャイな人柄。「教えるのは苦手」とおっしゃっていましたが、いざ講義タイムがはじまると、熱意たっぷり。撮影が終了したにもかかわらず、その後まで私たちに熱心に教えてくださいました。
こんな先生が教えてくれたら、そりゃあ麻雀が上達するよなあ、しなきゃなあ……と、決意も新たに、麻雀に取り組むファイトが倍増。いつか対戦できる日を夢見て、授業ノートを復習しています。
(藤原晶子@RBB)