ただし、ゲームのメイキングについては過去にも講演があったということで、今回は『BADLAND』をリリースしたその後の選択について語られました。アップルによるプッシュや、メディアの報道などで好調なスタートを切った『BADLAND』。最初の一週間でのダウンロードは10万を超え、4ドルでの有料販売だったため、かなりの金額の売上があったそうです。ただし、売上は急降下。毎日の売上が1000ドルくらいに落ち着いたところで選択を迫られたそうです。
「ゲームを作り続けるくらいの収入にはなります。そして幾つかの選択がありました。『BADLAND』を作り続けるか、それとも続編を手掛けるか、あるいは全くの新作をやるか。全部は選べませんでした。僕らはたった2人のスタジオだったし、新しい人を雇う度胸もありませんでした」
Vuorinen氏は『BADLAND』を今後も開発する道を選びます。「このゲームが大好きだったし、まだやるべきアイデアも持ってました。他のプラットフォームでも提供して、もっと大きなゲームにしてみたかったんです」。
■アップデートやキャンペーンでゲームの認知を拡大
幸いにも当初より追加のコンテンツを想定した作りになっていて、まずは新しいステージを何度かのアップデートで追加していきました。すると売上がスパイクしたと言います。「幾つか理由があると思いますが、既存のユーザーが再度遊んでくれ口コミになるとか、メディアに取り上げられるというのが大きいでしょう」アップデートの度に売上が跳ね上がったそうです。
売上を上げるキャンペーンとしては値下げプロモーションも非常に効果的だったとのこと。値下げ情報をいち早く知ることのできるアプリや、情報サイトは充実しているため、即効性があるようです。値下げを行うと、デイリーで2000を下回っていたダウンロード数が一気に1万を超え、売上金額も増加したそうです。さらに、アップルのApp Store 5週年キャンペーンの一環で一週間無料キャンペーンも実施。これは強烈な効果があり、なんとデイリーのダウンロード数は100万を超えて200万に迫る水準にまで。「クレイジーなほどだったよ」とVuorinen氏は振り返りました。
■異なるビジネスモデルで他のプラットフォームに挑戦
こうしてiOSでの人気を定着させた『BADLAND』。異なるプラットフォームへの展開がスタートします。当初はObjective-Cのネイティブコードで作られていたものをCocos2d-xに移植。複数のプラットフォームに容易に移植していく環境が整いました。その優先順位は「労力と期待される市場規模で決めていきました」とのこと。
その最初の展開はBlackberryでした。これはブラックベリー社がゲームのリリース前からサポートしてくれていたという点や、iOSのビジネスモデルをそのまま使ったという点が大きいようです。2013年10月にリリースしたものの、ダウンロード数は7000に留まっているとのこと。
次はAndroidです。Androidではプレミアムで成功したゲームが非常に少ないため、F2Pモデルに挑戦することになります。当初はアンロック課金(ステージのバラ売り)も検討されたもののAndroidユーザーはF2Pに慣れているだろうということで、純粋なF2Pになりました。収益ポイントは新規ステージに進む際に見せる動画広告(Everyplay GameAds、AdColonyを採用)。これが面倒というユーザーは有料でゲーム全体を買い上げることもできます。現在のところ収益比率は広告が70%で、ARPUは0.05ドルだそうです。ダウンロード数は600万ほど。
その他のプラットフォームとしてはAmazon Appstore、Humble Bundle、Windows Phone(今後数ヶ月以内に提供予定)などにチャレンジ。中国市場でもパブリッシャーを立てて取り組んでいるということです。
最後に現状が数字で紹介されました。ダウンロード数はiOSが57%、Androidが42%。現在のダウンロード数(デイリー)はAndroidが94%。トータル収益はiOSが84%、Androidが15%。平均の日々の収益はiOSが63%、Androidが35%。無料モデルであるため、ダウンロードはAndroidが圧倒的。ただ、売上としてはiOSが上というような構図のようです。
最後にVuorinen氏は『BADLAND』は今後もアップデートを行い、ゲームの世界を広げていきたいとコメント。依然として新しいメンバーを雇用するのは「勇気がいること」と言いながらも、新作にも挑戦していきたいと話していました。『BADLAND』のようなスタンドアローンのアクションゲームであってもアップデートの繰り返しで収益を上げていけるというのは興味深い事例ではないでしょうか。
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