一方の「Project Morpheus」です。水曜日の発表は高い熱を持って迎えられました。基本的な性能や機能は変わりませんが、「Oculus Rift」がゴーグル型できっちり固定がされるのに対して、サンバイザー型で上から緩く被せる形になります。長時間プレイした際の圧迫感や、蒸れの問題、動いた際の安全性などが期待できます。
また、PlayStation 4の既存の周辺機器との連携も特徴で、位置や距離のトラッキングには、「PlayStation Camera」とコントローラーの「デュアルショック4」が用いられます。カメラを使うのは「Oculus Rift」と同様ですが、デュアルショックも活用することでより正確なトラッキングが可能になると考えられます。また入力装置として決まったコントローラー(デュアルショック4とMove)が存在することも開発者としてはターゲットが想定し易く優位な点となりそうです。
筆者が今回体験できたのはCCPの『EVE Valkyrie』(なんと同じゲームが)と、ソニーが制作した『Deep』『"The Mars"』という2つのデモです。
『EVE Valkyrie』で体験できるのは「Oculus Rift」と全く同じで、戦闘機の発信から、宇宙空間でのドッグファイトまで。唯一違うのは、筆者が慣れたので上手く敵を撃墜できたことでしょうか。その効果もあってか(?) 映像の粒感は「Oculus Rift」の際より感じませんでした。
続いて『Deep』はSCEロンドンスタジオが開発したという水中に潜るデモ。リフトのカゴに乗って、徐々に深海へ。ときおり魚の群れが通り過ぎ、体を動かして眺めたり。後半では巨大なサメがリフトを襲い、おわわわ、となったところで終了。びっくり具合にブース担当者は失笑していましたが、そういう迫力が味わえるということです。
『"The Mars"』はNASAが撮影した火星の地表データを用いたデモで、火星に降り立った感覚を得られます。しばらくすると探査機のCuriosityがやってきて、何やら探査のようなことをしています。その動きを見ているだけでも楽しい。その空間にいて、他者の存在もある。これはVRならではの体験です。少し歩いて回りこむと別の角度からCuriosityを見れます。そしてしゃがむと下からの絵も。これは感動がありましたね。
短い体験で感じた「Project Morpheus」の良さと改善点はサンバイザー型であるという点に尽きます。装着感が良好な一方、強く固定されるわけではないのでブレが生じて映像が不鮮明になるケースがあります(特に自分が動いた場合ですね)。固定方法は今後改良がなされることを期待したいです。
編集部おすすめの記事
特集
ゲームビジネス アクセスランキング
-
ポケモンが現実世界と仮想世界を繋いでいく、20年目の挑戦・・・株式会社ポケモン代表取締役社長・石原恒和氏インタビュー
-
偶然の出会いが唯一無二のコンテンツを生んだ『El Shadai~エルシャダイ~』ディレクター竹安佐和記Xルシフェル役 竹内良太・・・中村彰憲「ゲームビジネス新潮流」第22回
-
ゼロ遅延技術「SonicSYNC」は従来スマホ音ゲーの"間違い"を正せるか―『ディズニー ミュージックパレード』メディア向け発表会をレポート
-
さよならハドソン、過去の名作をCMで振り返る
-
ゲーム開発は大変だけど楽しい!アークシステムワークス『GUILTY GEAR』開発チームが学生に語る
-
任天堂経営方針説明会、要点チェック(8/8 17:00 update)
-
なぜ「アイカツ」のライブ映像は、ユーザーを魅了するのか…製作の裏側をサムライピクチャーズ谷口氏が語る
-
アークシステムワークスがアメリカ現地法人として「Arc System Works America, Inc.」を設立
-
世界に通用するゲーム作りはここから生まれる・・・プラチナゲームズの本音を語る座談会(前編)
-
自分のファンを大事にしたゲーム開発で劇的な広告収益を実現・・・『俺の農園と弁当屋』のAlchemister