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リメイク作品として一定の評価を得た『聖剣伝説3 トライアルズ オブ マナ』。美しく生まれ変わったキャラクター達は評判を呼んでおり、リースやアンジェラのセクシーな衣装などが発売前から話題になっていました。
そんな中、蚊帳の外にいるのはもうひとりの女性主人公シャルロット。実年齢は他2名とほとんど差がないものの、エルフの血を引いているため成長が遅く、外見はどう見ても子供。他の2人が、少女と大人の間で揺れ動く危うい魅力を漂わせているのに対し、幼くちんちくりんなシャルロットが人気の面で遅れを取ってしまうことは致し方ないと言えるでしょう。
とは言え、せっかくシャルロットもキレイなグラフィックをあてがってもらっているので、どんな感じになっているか少しだけスポットライトを当ててみたいと思います。
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口が悪い上にしゃべり方のクセが強いSFC版シャルロット
シャルロットは回復専門職として原作の頃から重宝されていました。クラスチェンジができるようになる物語中盤までは、彼女以外に回復魔法を使える者はいません。また、クラスチェンジ後には全体回復魔法が使えるということもあり、初心者ならば彼女をパーティに入れておけば間違いないという評価でした。
特に後半で就けるようになる「ネクロマンサー」という職業は、敵を弱体化する「ブラックカース」を使用可能。このスキルに助けられ、哀れな美獣を蹂躙したことは良い思い出として記憶に残っています。回復させても良し、補助をかけさせても良しで、見た目に反して非常に優秀なキャラクターでした。
難点は彼女のセリフ全般。幼さを強調するためか、話す文章は固有名詞を除いてほとんど全てひらがな。加えてやたら生意気な性格であるため、気分を害するプレイヤーもいたとかいないとか。シャルロットが主人公だった場合は、読みにくいセリフ、気に触る言い回し(〇〇でち、という語尾)、上から目線の横柄な態度と付き合いながら長い冒険を進めるはめになったものでした。
なかなか攻めた性格をしていたシャルロット。おそらく前作『聖剣伝説2』のポポイを踏襲していたのだと思います。良くも悪くも尖った個性を持つキャラクターだったのは間違いありません。リースが多くの人に受け入れられ、シャルロットがそうではなかったのはやむを得ないことでしょう。
リメイクされ圧倒的に可愛くなった「びしょうじょ」
ではリメイク版ではどうなったのでしょう。見た目はとても可愛くなり、美少女と言って差し支えないものになっています。とは言え、前情報の時点ではリースやアンジェラのインパクトが非常に強烈。特にリースの「フェンリルナイト」とアンジェラの「メイガス」はあまりにも露出が多くて目も心も奪われてしまい、シャルロットは視界にほとんど入りませんでした。公式サイトでリースやアンジェラを差し置いて、シャルロットをじっくり眺めたという人はいるでしょうか。おそらくいないでしょう。
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リースやアンジェラは記憶に残るほど目に焼き付けたでのですが、
シャルロットのクラス3は忘れてました。実際のところ、かっこよくて可愛さもあるかなり良デザインですね。
しかし、実際にプレイして気づいたことは彼女の動きと表情の豊かさ。今作ではどのキャラクターも、それぞれの性格に沿った個性的なモーションが設定されています。シャルロットのそれは彼女の「びしょうじょ」の一面を綺麗に切り取ったものだと感じました。
特に目を引いたのは、一定時間操作していないときに発生する首振りダンス。リズムに乗って首を左右に傾けながら腕をパタパタさせる姿は、純粋にかわいいと感じ、しばらく見入って何度もスクショを撮ってしまいました。
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驚いた時の様子や、泣いている姿など、全体的にあざといモーションになっているにも関わらず、なぜか嫌いになれないのもポイント。これもひとえに基礎となるシャルロットのグラフィックが丁寧に可愛らしく作られていることが効果的に働いているのでしょう。
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むしろ、じ~っと見ていたくなります。
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こんな細かい表情の変化も表現できる、高クオリティのグラフィック。
おませな幼い少女だけが持つ、純粋で無垢な輝き。シャルロットの動きの数々からはそんな魅力を感じ取りました。
もちろんリースやアンジェラでプレイしたときも、彼女らの一挙手一投足をじっくり観察しました。無自覚に自分の魅力を醸し出してしまうリースも、自分の色気を完全に理解しつつそれを見せつけるように振る舞うアンジェラも、どちらも非常に素晴らしかったのは事実。
しかし、シャルロットの純粋さ故の可愛らしさは、彼女ら2名に拮抗するものがありました。これは嬉しい誤算です。彼女らの動作をじっくり見ていなかったという人は、ぜひ次は女性3人パーティを組んでゆっくり楽しんでみてください。
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武器を持つ手が逆のようですが、足を上げて手を振りかざすというポイントは良く表現できています。
ボイスが付いて話はより理解しやすくなり、性格はよりかわいく見えてくる
原作で難点だったセリフや性格については、キャラクターボイスが付いたことによって改善。字幕は相変わらずほぼ全てひらがなですが、フォントは読みやすくなっています。そして、声優さんの演技により抑揚がついたことで、話の内容は格段に理解しやすくなっています。本作では全ての主要キャラクターにボイスが付きましたが、その恩恵を最も受けているのはシャルロットではないでしょうか。
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横着な言い回しも、かわいい舌っ足らずな少女の声で聞かされると、許せてしまうのも面白いところ。こんなかわいい声ならば、オヤジ呼ばわりもまんざらでもないという気がしてきます。
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光の司祭様の教育が良くないのでしょう。もしくは、司祭様の趣味かもしれません。
一押しのイベントはローラント奪還作戦。ここで主人公のシャルロットは、あろうことか2人の仲間をしもべ呼ばわりします。叱り飛ばしたくなるところですが、あのかわいい声で「しもべ」と言っているのを聞くと、悪くないなと思ってしまいます。
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しかし、しもべと呼ばれた2人はちょっとかわいそう。
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これならまあ、しもべ扱いも仕方ありません。
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声優さんの持つ力には本当に感服します。喧嘩腰で変な喋り方のシャルロットが、ボイスのマジックによって、虚勢を張った頑張りやのかわいい幼い女の子に見えてくるから不思議です。変な語尾も、違和感なく演じているところには脱帽。シャルロットの好感度はボイスのおかげで大きく上がりました。
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SFC版の頃にはあまり感じられなかった彼女の成長に、少々落涙。
丁寧な作り込みのモデリングに、彼女らしさを引き出したモーション、そして彼女に命を吹き込んだとも言えるボイス。様々な要素が相まって、シャルロットは一段と魅力的なキャラクターに生まれ変わりました。リースやアンジェラと共にこれからの『聖剣伝説3』とシリーズ全体を引っ張る立ち位置になっていってくれることをでしょう。