第52回のロコレポは、サンソフトが7月24日から配信しているニンテンドー3DSバーチャルコンソール『へべれけ』のプレイレポートをお届けします。
原作の『へべれけ』は、1991年にファミコンで発売されたアクションゲーム。後にスーパーファミコンやセガサターン、プレイステーションなどで展開された『へべれけ』シリーズの、記念すべき初代作品です。
■とにかくナゾな世界を進むアクションアドベンチャーゲーム
やはり本作について特筆すべきは、その世界観。背景のストーリーは、ナゾの世界に迷い込んでしまった「へべ」が、元の世界へ帰るために世界の出口となる神殿をめざして冒険する……というもので、主人公の「へべ」と道中で仲間に加わる「おーちゃん」「助左衛門」「ヂェニファー」の3人(?)とともに冒険するアクションアドベンチャーゲームです。
ペンギン(?)なのに泳げない主人公「へべ」はゲームスタートと同時に「ぷぴょーっっっ」と叫び、プレイヤーを初見から突き放してきます。さらに仲間や敵も、人間なのか動物なのかよく分からないキャラクターたちがたくさん登場するなど、ゲーム全体を通して徹底したナゾな世界観。しかしプレイを続けるうちに不思議な統一感があることに気づかされたり、何ともいえない魅力を放っています。
■4人(?)のキャラクターと多彩なアクションを工夫してプレイ
また、キャラクターのアクションが多彩なのも本作の特徴。共通アクションとしてキャラクターの「移動」と「ジャンプ」「ロープの登り降り」「ふせ」「おしりあたーく」「ぽぷーんあたーく」が用意されているほか、キャラクターごとの固有アクション(特殊なアイテムを入手すると使用できる)も存在します。
仲間になったキャラクターは任意のタイミングで切り替えて操作することが可能で、それによって新しいエリアに進むことができたり、苦手な地形を克服することも。
個人的なお気に入りは「ジャンプ」中に下押しで敵を踏みつける「おしりあたーく」で、これによって倒した敵から「ぽぷーん」や「命の実」を入手することができるなど、ゲーム攻略のうえでも必須アクションとなっています。
■入手性が高くなり、さらに遊びやすくなった普遍的名作
『へべれけ』。コレクターの間でファミコンソフトが高値で取り引きされる本作ですが、2011年に配信されたWiiのバーチャルコンソール版に続き、3DSバーチャルコンソール版の登場によってさらにプレイしやすくなりました。また「まるごとバックアップ機能」への対応で、どこでも快適にプレイできるのも嬉しいです。
グラフィックだけでなく、アクションゲームとしての操作性や完成度が高いサウンドも評価できるポイント。そして何より、『へべれけ』の作品全体を通して描かれるキャラクターのコミカルさやシュールさはファミコン版のリリースから20年以上が経過した今でも全く色褪せることがなく、本作(ファミコン世代のゲーム)の稀有な普遍性を改めて感じさせられます。
「あとはめんどくさいから取説を読むにょー」
『へべれけ』は、好評配信中で価格は500円(税込)です。
(c) SUNSOFT

【ロコレポ】 by ロココ試作型
INSIDEのゲームライターが3DSとiOSを中心に色々なソフトをプレイして、その魅力を伝える連載。RPGの魅力に目覚めたのは、ファミコン版『ウィザードリィ』。好みのゲームな場合にテンション上がり過ぎるのは許して…。
Twitter:@Rococo_TestType