「GAME ON」はテレビゲームの進化を一望する展覧会として、2002年に英・ロンドン市のバービカン・センターでの開催以来、世界中を巡回してきた企画展が日本初上陸。日本では「ゲームって なんで おもしろい?」をテーマに、オリジナルコンテンツも多数追加されています。
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本企画展では、テーマごとに分かれた全8ステージ+ネクストステージを巡りながら、『PONG』『スペースインベーダー』『ゼビウス』をはじめとする貴重な筐体が勢揃いするアーケードコーナーを皮切りに、『オデッセイ』『ジャガー』『ファミコン』『プレイステーション』『セガサターン』などのなつかしの家庭用ゲーム機、『サイモン』『スーパーギャラクシアン』などの電子ゲーム機、現代のスマートフォンゲーム、もうすぐそこまで来た未来の「PlayStation VR」まで、実際に見て、触って、楽しめます。
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リアルとの境界を越え、実社会に大きな影響を与えるようになったゲームの社会的・文化的な意味について、そして未来について、来場者のみなさんと考えていきたい――そんな思いのこもった企画展です。
本稿は開催前日に開かれたプレス向け内覧会の様子をひとりのゲームプレイヤーとしてレポートします。
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「STAGE 1」には創世記のコンピューターゲームの展示があります。まず目に入るのが、1961年に大学の研究室で開発された『スペースウォー!』。現在のゲームの原型が示されたといわれます。
会場では『スペースウォー!』(1962年/マサチューセッツ工科大学)のPDP1が展示。作者は当時学生だったスティーブ・ラッセル氏で、コンピューターのデモンストレーションには、ゲームを作るのが一番よいと考えて開発したとか。氏はLISP言語の実装者としても有名ですが、スペースウォーは「アセンブリ言語で書かれていた」ようです。このPDP1でプログラムを保存するのは穴を開けた紙テープでした。
また1971年には、そのスペースウォーを商業用にアレンジしたアーケードゲーム『コンピュータ―スペース』が誕生、翌年の『ポン』により、新しいメディアとしてのテレビゲームの幕が開けます。
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『ポン』(1972年/アタリ)は、ピンポン(卓球)を題材としたゲームで、プロジェクターに投影した独特の展示でギャラリーも楽しめます。いま遊んでもそのシンプルなゲーム性は十分面白く、説明書もいらないですし、あらためて凄みを感じました。筐体もレトロな良さが存分に出ていて、持って帰って飾りたくなりました。(いや、もちろんそんなことはしちゃダメですよ)