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セガネットワークスより配信中の『ワールドチェイン』。歪んだ歴史を修復するために奮闘する本作、歴史好きの筆者が今ガッツリのめり込んでいるゲームです。そのプレイ中、ふとあることを思いつきました。
「もしもあの時、歴史が変わっていたら…」
誰もが一度は妄想する歴史if。志半ばで倒れた歴史上の人物がもし生きていたら今の世の中はなかったかもしれません。「もしも」の妄想には無限のロマンが詰まっています。
例えば、現在放映中のNHK大河ドラマ『真田丸』で山本耕史氏が演じた石田三成。あまりにも魅力的に描かれたため、関ヶ原の戦いに敗れ処刑されるのが辛いと思った方は多いはず。なんとか助命できないか、助命させるにはどうしたらいいか…妄想は尽きません。
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関ヶ原の戦いの敗北は避けられないものか…。
さて、件のドラマは佳境に入り、真田信繁改め幸村が豊臣家の居城・大坂城に入り、大坂冬の陣、夏の陣にて華を咲かせます。そして豊臣家は滅亡し、徳川幕府による長い太平の世・江戸時代になるのです。もし大坂の陣で豊臣家が滅びなかったら世はどうなっていたでしょうか? というか、豊臣家が勝つには何が必要だったのか? そこで本稿では、大坂の陣にて豊臣家が勝利するifについて考えてみようと思います。
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『ワールドチェイン』の豊臣秀頼。彼をなんとしても勝たせたい…!
NHK大河ドラマ『真田丸』では真田昌幸が死の間際に息子信繁に「豊臣軍勝利プラン」を伝えます。ざっくりと説明すると、
(1)豊臣方が本拠地とする大坂城から兵を出し、尾張(今の愛知県西部)を押さえる。
(2)時間稼ぎをしつつ、徳川軍の主力が進撃してきたら近江(今の滋賀県)まで後退。
(3)宇治(京都府宇治市)・瀬田(滋賀県大津市)の橋を落として敵の侵攻を阻む。
(4)豊臣恩顧の大名が徳川を寝返り、大坂で迎え撃つ頃には徳川に対抗する勢力に膨れ上がっている。
(2)時間稼ぎをしつつ、徳川軍の主力が進撃してきたら近江(今の滋賀県)まで後退。
(3)宇治(京都府宇治市)・瀬田(滋賀県大津市)の橋を落として敵の侵攻を阻む。
(4)豊臣恩顧の大名が徳川を寝返り、大坂で迎え撃つ頃には徳川に対抗する勢力に膨れ上がっている。
このプランを成功させるには、時間稼ぎの間に寝返る大名の存在が必須。また、この頃徳川方は信頼に足る武将を要所に配置し大掛かりな城を普請(建築)しており、これらの城をどのように抑えるかが豊臣勝利のカギとなります。
史実では豊臣方に味方したのは牢人・浪人ばかり10万人。その中で一軍の将として使える人物はごくわずか。元独立大名家は真田幸村、長宗我部盛親の2名、元陪臣は毛利勝永、後藤又兵衛、明石全登の3名。これに木村重成や大野治長ら豊臣家の家臣を加えたとしても、10万の兵を指揮するには人材が不足していました。企業でもそうですが、大きな組織において最も重要なのはチームをまとめる中間管理職なのです。
では豊臣方にとって必要な人材は誰か? まず第一に挙げられるのは加藤清正です。加藤清正といえば豊臣秀吉子飼いの猛将として有名です。
清正は大坂の陣が始まる4年前、二条城における豊臣秀頼と徳川家康の会見にて警護を担当しました。この頃清正は徳川家とも縁を結んでおり、二条城の会見は両者を取り持とうとしていたと言います。しかしこの会見ののち、清正は突如として発病し帰らぬ人となりました。にわかに発病したこと、また、加藤清正とともに二条城の警護をした浅野幸長も急死していることから、徳川方から毒殺されたのではないかと噂されました(『真田丸』では毒殺説が採用されていましたね)。
もし清正が生きていたら、果たして徳川方に味方したでしょうか? 仮に清正が生きていて豊臣家に味方したならば、同じく秀吉子飼いの福島正則も黙っていないでしょう。史実では、豊臣恩顧の大名である正則は大坂の陣において徳川方から寝返りを警戒され、出陣を許されず江戸留守居を命ぜられていました。正則は豊臣方の味方要請には応じなかったものの、大坂の屋敷にある兵糧を大坂方に明け渡しています。立場上、豊臣家には従えませんでしたが、心は豊臣方にあったのではないでしょうか!? 豊臣家を支えた二人の武将の参戦、これで大きく戦局は変わるでしょう!
ここで再び昌幸の必勝プランを振り返りましょう。昌幸は尾張から後退しつつ時間を稼ぎ、諸大名が豊臣に寝返ったところで大坂にて決戦に持ち込むというプランを立てました。もしこのプランを実行したとして、厄介なのが大坂方を警戒して配置、強化された城です。
まずは彦根城。ここには徳川譜代大名の井伊家が睨みをきかせており、攻略難易度は最高ランク。次に築城の名手として有名な藤堂高虎が普請した伊賀上野城。大坂の陣の2年前に天守が暴風雨で倒壊していますが、天守がなくとも軍事基地として十分機能するため難易度は高。西側の大名の抑えとして強化された姫路城は現在でも十分に伝わる堅城につき言わずもがな難易度高。3つとも、力ずくで奪うのは非常に困難です。
そこで注目すべきは西国の動きです。関ヶ原の戦い以降、豊臣恩顧の大名たちは西国に押し込められました。特に山口の毛利家、鹿児島の島津家は関ヶ原の戦いの戦後処理にて苦汁を飲まされており、その悔しさが幕末の討幕運動に繋がったほどです。豊臣に味方する可能性は十分にあります。そして、姫路城の城主は世代交代しており、いくら堅城とはいえ中の人の実戦経験の浅さが仇となる可能性は捨ておけません。
一方の彦根城と伊賀上野城は大坂方の兵を2手に分け、力ずくで押し通るしかありません。そこで加藤、福島らの現場指揮官が力を発揮するのです。
こうして昌幸プラン最終章に持ち込み、「徳川家は豊臣家から政治を奪い取った逆臣だ」という大義名分を掲げれば、豊臣家に味方になる大名が現れ、勝利する未来があったのではないでしょうか。そもそも史実においても、徳川方は勝ったところで恩賞が望めず厭戦ムードが漂っていたと言います。また、世代交代が進み実戦経験のない者が多かったとも。大坂冬の陣において前田勢が真田丸にまんまとはまってしまったのも、石垣&豪華絢爛な天守を見慣れた第二世代が、堀と土塁で作られた真田丸を甘くみたからであるという推測もあるほどです。
ここまでは昌幸プランに則って妄想を膨らませてきましたが、そもそも徳川家康が早々に亡くなっていたらどうなっていたでしょう?
大坂冬の陣が始まった1614年、家康はすでに72歳。当時としてはかなりの高齢です。しかも家康は大坂夏の陣で豊臣家が滅亡してわずか1年後に亡くなっています。史実では生きているうちに豊臣家を潰すことができたけど、もし大坂の陣の前に家康が亡くなっていたら…
関ヶ原の戦いののち、家康は早々に秀忠に家督を譲り、自分は大御所として息子の後見をしつつ棟梁の経験を積ませようとしました…が! 関ヶ原の戦いに遅参し、現場で采配を振るうことが叶わなかった秀忠は武将としての実力を発揮することができませんでした。秀忠の武士の棟梁としての器は未知数であり、諸大名が秀忠に従う理由は家康がバックで睨みをきかせていたからと言えるでしょう。
もし家康が早々に亡くなっていたら、誰も秀忠についてこなかったのではないでしょうか? だからこそ二条城の会見の際、立派に育った豊臣秀頼を見て、これでは秀忠は太刀打ちできない、自分が生きているうちに豊臣家を潰さねばと思ったのでは!?
ここで注目すべきは東北の雄、伊達政宗です。
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”独眼竜”の異名を持つ政宗。馬上の姿が似合いますね!
政宗は戦国武将の中では遅く生まれましたが、若くして家督を継ぎ、実戦経験は豊富。表向きは豊臣秀吉、徳川家に臣従しつつも、一揆を扇動したり、スペインと独自ルートを開拓しようとしたり、反骨の気配がちらほら見られます。また、大坂の陣で討死した真田幸村の遺児を匿うなど、大坂方に対する配慮も見られます。
もし家康が早々に亡くなっていたら政宗が動かないはずはありません。実戦経験豊富で棟梁としてのカリスマ性を備えた政宗を、秀忠だけで抑えることができるでしょうか? もしかしたら決戦の場は大坂城ではなく、江戸城になっていたかもしれませんね。
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というわけで、大坂の陣ifを勝手に妄想してきましたが、歴史ifをもっと楽しみたい! という方にオススメなのがセガのスマホゲーム『ワールドチェイン』です。本作では歴史ifの世界を堪能しながら手に汗握るディフェンスバトルを楽しむことができます。
『ワールドチェイン』は世界史全般が舞台になりますが、第一章はなんと戦国時代が舞台! 「桶狭間の戦い」にて信長が破れ、織田家に滅ぼされた武田家が生存し上洛を果たすというifストーリーが展開されます。主人公たちは「リライター」として、ゆがめられた歴史を修正し、あるべき姿に戻していくのです。
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信長を救い、あるべき歴史に戻すため、奮闘するリライターたち。運命の行方はいかに…!?
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「リライター」は「リヴァイブ」という能力を使って歴史上の偉人たちを召喚し、その力を借りて戦います。今まさに物語が佳境を迎える『真田丸』の主人公・真田幸村ももちろん登場! 全世界の偉人たちを組み合わせて夢のパーティを作ることも可能です! ぜひプレイしてみてはいかがでしょうか?
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『ワールドチェイン』は配信中。基本プレイ無料(アイテム課金制)です。
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